きものの雑学

天衣無縫(てんいむほう)

天衣無縫(てんいむほう)

 「天衣」とは、天女の着物のこと。「無縫」とは、縫い目がないこと。天衣に縫い目がなく、人工的に手を加えられた跡がないように、出来上がった文章や和歌などが自然で美しいことをあらわす。転じて、飾り気がなく、ありのままで純真な人柄を指すようになり、「天真爛漫(てんしんらんまん)」「純真無垢(じゅんしんむく)と近い意味を持つ。
 天衣無縫の由来は、中国の「霊怪録(れいかいろく)」という故事からきている。ある青年が夏に庭で寝ていると、空から天女が舞い降りてきた。彼女の衣服に縫い目が無いことに気づいて尋ねると「天人の着物は、針や糸を使わず、着る人間の体に合わせて布が自然と衣服となるため縫い目が無い」と答えたという話が残されている。